株式会社ヒナプロジェクト様
国産クラウドかつ安定稼働の実績で「IDCFクラウド」を採用
月間約24億PVを誇る日本最大級の小説投稿サイト「小説家になろう」のインフラとしてIDCFクラウドを選定された理由や経緯についてお話を伺いました。
導入事例
月間約24億PVを誇る 日本最大級の小説投稿サイト「小説家になろう」 国産クラウドかつ安定稼働の実績で 「IDCFクラウド」を採用
- 会社名
- 株式会社ヒナプロジェクト
- ご利用サービス
- IDCFクラウド
- DDoS対策サービス
株式会社ヒナプロジェクト様は、「小説家になろう」「小説を読もう!」をはじめとした日本最大級の小説投稿・閲覧サイトを運営する企業です。
「小説家になろう」は運営20周年を迎え、登録ユーザー数は255万人超、作品掲載数は100万件超となっており、「君の膵臓をたべたい(著 住野よる)」、「Re:ゼロから始める異世界生活(著 長月達平)」、「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜(著 香月美夜)」など、本サイトの掲載から多数の作品が書籍化や映像化がされています。
Webサイト公開当時から「読みたいときに読める、書きたいときに書ける」というポリシーのもと、サービス提供が途切れないことを第一に運営をされています。
「小説家になろう」のインフラとしてIDCFクラウドを選定された理由や経緯について、システム部 部長 上田氏とシステム部 インフラ課 課長 寺島氏にお話を伺いました。
大手出版社からの書籍化によりWebサイトの注目度が急上昇!
スペック選定は後回しで「とりあえず強いサーバーを追加」することに
「小説家になろう」のWebサイトの変遷を教えてください
「小説家になろう」の運営当初は、創業者が個人所有のサーバーでWebサイトを運営していました。その後、法人化にあわせて他社の専用サーバーやクラウドサーバーを利用するようになりました。
当初は、個人が開設した小規模なWeb小説投稿サイトだったのですが、掲載作品が大手出版社から書籍化されたことをきっかけに注目度が増えていき、Webサイトへのアクセスが1日あたり2000万PVを超える頃には、Web小説投稿サイトとして広く知れ渡り現在の月間約24億PVという巨大なサイトまで成長していきました。(上田氏)
急激なアクセス増加にはどのように対応されたのですか?
アクセスの増加に対応するためにサーバー追加が必要となりましたが、急激な変化に社内のマンパワーが追いつかない状態でした。
そのため、サービスやスペック選定などの細かいサイジングは後回しで、「サービスを停止させないためにとりあえず強いサーバーを立てる」ことを最優先にして運用している状態でした。 現在は、月間約24億PVを超えるアクセスがありますが、寺島がサービス選定やサーバー構成の最適化などを担当してくれており、安心して任せています。(上田氏)
「サービス提供を途切れさせない」ためのインフラ選定
マルチクラウドでリスク分散を実現
インフラを選定する際のポイントは?
弊社では「小説家になろう」以外にも、ユーザーが利用用途によって使い分けられるように様々なWebサイトを運営しています。 全サイトでのアクティブユーザーは45万人、投稿作品数は121万件を超えています。
「小説家になろう」はユーザー生成コンテンツが主体であり、いつでも利用できることが求められるWebサービスであるため「サービス提供を途切れさせない」ということが大前提です。その上で、「冗長構成」「堅牢なセキュリティ」「障害時の対応」は外せないポイントと考えています。(上田氏)
サービスを停止させないために工夫されていることはありますか?
複数の国内のクラウドサービスを契約し、マルチクラウドとすることでリスク分散をしています。
複数の事業者に分散させることで、単一の事業者でネットワーク障害などが発生した場合も他の事業者のクラウドサービスでカバーしてサービス提供を継続することができます。
サイトの規模が大きくなるにつれてメンテナンスの頻度も増えるのですが、どうしても必要な場合以外は、メンテナンス時もサービスを止めずに済むよう計画を立てて行っています。
そのおかげで、ユーザーからも「メンテナンスによるサービス停止が少ないですね!」というお言葉をいただきました。(上田氏)
”国内クラウドサービス”というのにも理由があり、海外のクラウドサービスの場合、物理設備が海外に設置されている、またはバックアップ冗長化などの理由でデータが海外設備へコピーされるといったケースもあり、もし、その状態で海外設備拠点に何かトラブルがあった場合にはデータセンター所在地(海外)の現地法律が適用されてしまうことがリスクとなります。サービスの特性上、ユーザーの個人情報のみならず著作物もお預かりしているため、可能な限り守れるように現在は日本国内のデータセンターを利用している国内のクラウド事業者を選定するようにしています。(寺島氏)
IDCFクラウドを利用するきっかけを教えてください
複数の国内クラウドサービスを利用していましたが、コンテンツへの注目度が上がるにつれて、外部からの悪意ある攻撃を多々受けるようになりました。
もちろん対策は行っていましたが、外部からの悪意ある攻撃によりユーザーがWebサイトにアクセスしにくい状況となることがありました。 そこで、「他社データセンターへの分散」、「より堅牢なセキュリティ対策ができるサーバー」などの要件を満たしているサービスを探している中でIDCFクラウドを見つけました。(上田氏)
IDCFクラウドを採用する際に、決め手となったポイントはありますか?
IDCFクラウドについて調べると、「大手金融系企業での利用実績があること」「DDos対策サービスがあること」「東西リージョンで負荷分散できること」がわかりました。
社内で検討を重ねた結果、こちらが大きな決め手となりIDCFクラウドの利用を決定し、すぐにアカウントを登録して利用を開始しました。(上田氏)
想定を上回る処理能力を発揮!
サーバー集約によりインフラコスト・運用コストの削減を実現
IDCFクラウドを稼働してみて性能はいかがでしたか?
想定以上の性能が出てビックリしました。
仮想マシンは、他社の同等スペックのものと比較するととてもよい性能を発揮してくれています。具体的には他社の仮想マシンでは2台に負荷分散していたWebアクセスを、IDCFクラウドでは1台でまかなうことができるくらいの性能を発揮しており、大変驚きました。
仮想マシン1台分の費用だけをみるとIDCFクラウドの方が割高に感じる場合もありますが、弊社のサービス構成においてはトータル台数の削減につながったため、IDCFクラウドの方が費用対効果に優れていると実感しています。
また、IDCFクラウドでは仮想マシンを東西リージョンに分散させて利用しているのですが、他社のクラウドサービスに分散するのと同等のリスク分散ができていると思います。
加えて、IDCFクラウドは障害が少なく稼働率が高いため、安心して利用できています。
さらに、IDCFクラウドの東西リージョン間を「プライベートコネクト(閉域網)」で接続して、バックアップデータなどの受け渡しに利用できる点も気に入っています。他社クラウドサービス間のデータ受け渡しを実施するには、「小説家になろう」サービスを提供しているインターネット側のネットワーク帯域を意識する必要があるため、サービスネットワークを気にせず、閉域でデータ転送ができるのは助かります。(寺島氏)
そのほかにもIDCFクラウドのおすすめポイントがあれば教えてください
管理画面「コントロールパネル」が直感的で使いやすいと感じています。仮想マシンの追加がスムーズにでき、稼働までに必要となる作業がシンプルでとても気に入っています。
またプランが豊富なので、その都度要件にあわせて選択が可能ですし、運用状況にあわせてスペックの変更ができるので助かります。
サポートの対応についても、大抵の場合に予想よりも素早く的確な回答をいただけているので助かっています。メンテナンス通知も事前に対象サービスや影響などの情報を細かく伝えていただけるので、早めに対策を立てることができ、サービスをほとんど止めることなく運営ができています。
また、サーバー構成や課題に対する提案だけでなく、IDCFクラウドの今後の展開などを担当営業の方が積極的に伝えてくださり、弊社の機器構成・運用に活かせる情報も多く、頼りにさせていただいております。(寺島氏)
最後に、今後の展望について教えてください
現在は「サービス提供を途切れさせない」ためにマルチクラウドという形でIDCFクラウドと複数の国内のクラウドサービスで運用していますが、負荷比重の再検討を行った結果、今後はIDCFクラウドの稼働比重を増やしていくことを検討しています。
また、「ITインフラ調査・アセスメントサービス」を利用して利用契約やサービス構成との関連性を可視化し、管理運営コストを減らすことができればと思っています。(上田氏)
その他、仮想マシンのコンテナ化による、負荷に対する柔軟な運用についても検討を進めていきたいと考えています。(寺島氏)
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました
株式会社ヒナプロジェクト
- 設立
- 2010年3月17日
- 所在地
- 大阪府枚方市大垣内町2-17-8
- 事業内容
- ウェブサイト・デジタルコンテンツの企画、制作、管理運営
- URL
- https://hinaproject.co.jp/
※掲載内容は、本事例の掲載日時点の情報です。
※記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
2024年4月24日掲載
2024年04月24日掲載