トピックス(2011年)

停電時におけるデータセンターの運用について

2011年03月14日

このたびの東北地方太平洋沖地震および長野県北部の地震の影響により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

既にお知らせの通り、IDCフロンティアの全データセンター及びクラウドサービス「NOAH」など全てのサービスは、地震による影響はなく稼働をしておりますが、今後も余震の発生など予断を許さない状況です。

東京電力の計画停電(輪番停電)、および他の要因による万が一の停電に備え、IDCフロンティアのデータセンターでは、サービスの継続稼働のため、無停電電源装置(以下、UPS)や自家発電装置であるガスタービン発電機(以下、GTG)などの設備を備えております。

まず、IDCフロンティアのデータセンターでは、一般の家庭へ供給されている100ボルトや200ボルトの低圧電力とは異なり、電力会社より特別高圧または高圧で電力を受電しております。

高圧電力は冗長化された受電設備で受けた後、内部で電圧を下げ、UPSに供給されます。内部では交流から直流に変換され、UPS内に備えられたバッテリーへ充電が行われます。並行して、変換された直流は交流に再度変換され、データセンター内に配置された受電盤へ供給されます。受電盤では最終的に100ボルトないしは200ボルトの交流へ降圧し、サーバールームの各ラックへ電源供給しています。なお、UPSはN+1の冗長構成になっており、万が一の不具合にも予備系統が備えられています。

停電により電力会社からの電力供給が途絶えた場合、電力断なく瞬間的にUPS内部で商用電源から内蔵のバッテリーへ回路が切り替わります。バッテリーの電力はUPS内で交流に変換され、電源の供給が変わらず継続されます。その間に、GTGのエンジンが起動しモーターによる発電が開始されます。数分程度でGTGの発電能力が安定した時点で、途絶えた商用電力の代わりとして回路が切り替えられ、UPSにはGTGから電力が供給されます。

GTGは、併設して備蓄している燃料タンクから燃料が供給されるため連続運転が可能です。また、燃料補給を優先的に受けられる契約を供給会社と結んでおり、消費した量に応じて燃料が補充されます。また、月に一度の試運転点検はもちろん、年に一回の法定点検時には、電力会社からの電力をGTGに乗せ替える実負荷試験も行っております。

3月11日の地震発生直後から、定期的にデータセンター内の設備を点検し、カスタマーポータルにてご利用のお客様へ情報提供を行っております。計画停電に関しても詳細情報が分かり次第、お客様へのメール通知およびカスタマーポータルへの掲載にてご案内いたします。

発生直後は、安全確認のためデータセンター内への入館を一部規制しておりましたが、現在は通常通り入館が可能です。また、サービスの開通に関しても通常通り対応しております。

IDCフロンティアでは、継続して監視体制の強化に努めると共に、万が一の地震発生の際にもサービスの継続提供に努めて行く所存です。