導入事例

Supership株式会社様

データセンターと物理サーバーを使い倒す!

Supership取締役 山崎大輔氏インタビュー

※本事例の内容は、2015年7月6日時点のものです。2015年11月、株式会社スケールアウトは株式会社nanapi、株式会社ビットセラーと合併し、Supership株式会社に社名変更しました。

Supership株式会社 山崎氏

スケールアウトはアドテク業界大手企業の一つで、広告配信システムを開発、提供している。代表の山崎氏は、新卒で世界的な半導体企業に入社、98年にまだ社員数90名ほどだったヤフー株式会社へ転職し、広告配信システムの技術を担当していた。


現在のスケールアウトが手掛けるサービスの元となる広告システムは、ヤフーを退職した2000年代中期に山崎氏がたった一人で構築したという。アドテク業界をけん引する業界トップクラスのエンジニア社長、山崎氏。その人となりから、ビジネスが急成長している理由と、強みがうかがえる。

スケールアウト創業秘話「自分の実力が実感できず、不安で辞めたヤフー」

山崎さんは元々起業を考えていたのですか?

いいえ、まったく考えていませんでした。

当時のヤフーで感じていた事として、米国ヤフーの技術のおかげでビジネスが成り立っているという感覚がありました。要は自分の技術力を実感できないんです。そんな中で会社はどんどん大きくなっていき「今のまま責任のある立場を任されても大丈夫なのか」と考えるようになりました。

最終的には「このまま続けていたら誇りを持って仕事をし続ける事ができなくなってしまう」というに思いに変わり、次のあてもないまま、退職の道を選びました。

実は広告配信システムを独自開発したのは偶然でした。ヤフーを辞めてからは、世界を旅したりプログラムを学んだりして過ごしていたのですが、ある会社から「広告配信システムを作ってくれたら導入する」と言われ作ってみたところ不採用。しかし時間もあることだし、せっかくなのでクオリティを追求してみることにしました。

自分で満足のいくクオリティまで仕上げて紹介したら、数社導入してくれる会社が見つかりました。そのとき、会社対会社での取引でないと厳しいという要望があったことから、スケールアウトを創業したんです。

リーマンショックが追い風に。

当時の広告システム市場はどのような状況でしたか?

当時、「広告システム」は年間5~6,000万円を出して利用するモノ。大規模な投資が必要でした。その流れを変えたのが、「リーマンショック」だと思っています。リーマンショックで社会全体がコストにとても気を遣うようになり、いままで大規模な広告システムを導入していた広告会社さんが、弊社システムを選択肢に入れてくれるようになりました。

そして、リーマンショック直前は第二次ITバブルも来ており、リーマンショック後には上場して資金的に余裕のある企業が増加。弊社の広告システムを導入していただける機会にも恵まれました。

リーマンショックが追い風になったんですね。他にどのような追い風がありましたか?

山崎大輔氏
山崎大輔氏

ヤフー時代に経験したことですが、エンジニアは数ではなく質が重要です。最初から優秀なエンジニアを採用しておけば、教育コストがかからず生産性を高めることができます。

広告配信システムを作り出すことは結構大変な作業なので、数名のエンジニアで意思疎通をはかりながら作っていくことが大事だと思っていた矢先、リーマンショックのおかげ?でタイミングよく、優秀なエンジニアを3〜4人採用できました。(笑)

そして、ベンチャーキャピタルとの出会いも追い風でした。当初はVCに相談する気はなかったのですが、たまたま紹介された人物が私の中高生時代の同級生だったんです。

会った瞬間から腹を割って話せる間柄で、信頼関係を構築するのに時間はかかりませんでした。VCから知恵や知識を提供してもらえたことで、ビジネスが大きく加速しました。

市場の成熟で起きる価格競争、勝ち抜くためには?

スケールアウトの強みはなんですか?

今、アドテク業界全体として、サービスの差別化が難しい状況になってきていると思います。各社、勝ち残るために独自の道を模索している。スケールアウトでは、それが技術力と、インフラの追求です。

配信や集計に大量のサーバーを使うスケールアウトの場合、外資系のクラウドサービスを使ってもコストメリットが見いだせません。しかし、データセンターでカスタマイズした物理サーバーを使うとコストはその1/3で済みます。

業界ではクラウドが流行っている昨今ですが、弊社はIDCFのデータセンターを採用し、技術を駆使して物理サーバーの性能限界まで使い倒しています。また、マルチデータセンターを実現し、競争力強化に努めています。

いまアドテク業界はレッドオーシャン。市場が成熟している状態では、今後さらに壮絶な生き残り合戦が繰り広げられるでしょう。

ゲーム業界などとは異なり、広告配信システムは息が長く、積み上げはできるけど爆発はありません。そのため、インフラへの工夫やこだわりが非常に重要だと思っています。

はじめからブレずに、技術とインフラを追求し、スケールアウトは結果として「既存のエコシステムと共存し、守る」側に立っている。これが一番の強みです。弊社がそのポジションを担うことに、お客さまは期待を寄せてくれています。今後さらに飛躍できると考えています。

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Supership株式会社様 会社概要

会社名 Supership株式会社
設立 2007年12月
代表取締役 森岡 康一
大朝 毅
事業内容 インターネットサービス事業
広告事業
プラットフォーム事業
その他
URL http://supership.jp/新規ウィンドウを開きます

※掲載内容は、本事例の掲載日2015年7月6日時点の情報です。会社概要は、2016年1月7日時点の情報です。
※記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

2015年07月06日掲載